雑感−1

自分のことを分かって欲しいわけじゃない。 そんな夢みたいなこと望んじゃいない。 僕がいつも思っているのは、願っているのは、この存在の危うさを、この偶然の織り成す現実とやらを、深く深く記すことだけだ。 例えば君は言うかもし

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詩【愛の機械】

目覚めと諦めが告げたのは、絶望と未達の、ねがい。 きみは知る哉、ぼくときみの隔絶を。   愛を歌う機械みたいなラジオが、 まるで、人みたいだから、騙されてしまう。 誰が悪いわけでもなく、騙されてしまう。 &nb

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詩【瓦礫】

敗残の身に刺さる 禍事の夕陽が 一夜にして塵芥と空虚に満たされた街を照らしていた。   打ちのめされろと呪ったのは 確かに僕だが、 いま、瓦礫の下に潰れた足を恨めしく思うのだ。   澄明な朝の空の下、

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詩【世界の美しさ】

世界の美しさなぞ歌う前に 世界の有り様なぞ言う前に、 お前が握りしめている拳を開いて見せよ。 誰も、お前の事など信じやしない。 自らの生活を嘆く前に 自ら招いた不幸にとどめを射される前に お前は自らの言葉を、 自らの耳で

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詩【僕は、しない】

しない。 何もしない。 したい事以外、しない。 やりたいことは、 と きかれても、さあ困ってしまう。 したくないんだ。 しない、やらない、お断り。 したい、やりたい、喜んで。 は前向き、自発的、仕掛けた生き方 だとして、

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詩【形骸】

肉体が精神の乗り物だと 言うヤツがいて、 肉体は内面の外化だと 言うヤツもいる。 何でも安易に信じてしまう罰に 僕は自分の 肉体が いつまで、自らの精神を煩わせるのか、訝しむ。 胎内に置き忘れたカカトを、 恋い焦がれて懐

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詩【抱擁】

怒りと痛みと、 シラケた気持ちと、死にたい熱望と、 理不尽と、不眠に 真っ黒に塗りつぶされた日常の中で、 風と、花と、星が、 生命の官能を呼び覚ますから、 幼い頃の、僕のひだまりで、 夢を食べて生きた幼い頃の僕の日だまり

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詩【夕闇の呼吸】

世界があって、僕がいて、 僕がいまいるこの世界が、なくなったことを想像したら、 悲しくなった。 この世界が、醜いのは、僕が吹き出物みたいに世界にしがみついているからで、 だから、 僕が居なくなった世界を想像したら、世界は

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詩【逆上】

落ちているのか、昇天しているのか、わからずにいる子ども。 身を裂く傷が額に残って、 「思い出」とやらに変わっても、 怒りの感情が負債だった。 奇跡とやらを、女は望んだ。 死んでなお、生きよという。 それは呪いだ、願いじゃ

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詩【靴ずれ】

波がきて、 ひいていく、 ただその淡いに、 きみがわらう。 そら。 あおい。海よりあおい、そら。 風にあおが揺れるから、と、 それが可笑しいから、と、 きみが笑うから、 ぼくは、足の痛みを無視して、 きみの、横を、 ある

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【読書雑感】

細かな雨が降り続いているような錯覚に陥っていた。 そして窓の外の花は、その雨に打たれて震えていると。 僕は、読みかけの本をまだ読んでいる。 独り、部屋に寝転がってそれに没頭してみた。 物語はいよいよ佳境に入ろうとしていた

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詩【冬の一輪】

唯物的な痛みが街を覆う。 死なんて、観念の遊びだと誰かは言うのに、 きみは、それでもその観念に拘っている。 拘束された感情が生活を積み立てる。 自由を貯金しながら、僕たちは年をとり、言葉を喰い散らかす。 誰にも同じ棘があ

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