詩【世界の美しさ】

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世界の美しさなぞ歌う前に

世界の有り様なぞ言う前に、

お前が握りしめている拳を開いて見せよ。

誰も、お前の事など信じやしない。

自らの生活を嘆く前に

自ら招いた不幸にとどめを射される前に

お前は自らの言葉を、

自らの耳で聴くのだから、

神など居なくても、

居直りや、自己欺瞞などせずとも

お前はお前を裁くのだから、

誰も何も言わないままに

誰も居ない部屋で、

どことも知れぬ時代の誰とも分からぬ自分のままで

縊れて果てる自分を見るのだ。

世界がどんなに美しかろうと

世界がどんなに醜かろうと

それと、お前は別のもの。

だから

私と世界は切り離されて

私は私を、裁くのだ。